商品情報

ベアリング技術サポート

ベアリング設計技術サポート

      ベアリングの精度

ベアリング精度は機械の性能に大きく影響するので、用途に合った精度を選定することが必要です。

規格 精度等級 軸受形式
日本工業規格 JIS B 1514 0級6X級 6級 5級 4級 2級 全形式
国際規格 ISO 492 Normal class
Class 6X
Class 6 Class5 Class4 Class2 ラジアル軸受
ISO 199 Normal class Class 6 Class5 Class4 - スラスト玉軸受
ISO 578 Class 4 - Class3 Class0 Class00 円すいころ軸受
インチ系
ISO 1224 - - Class5A Class4A - 計器用精度軸受
ドイツ規格(西ドイツ) DIN 620 P0 P6 P5 P4 P2 全形式
アメリカ規格(ANSI)
アメリカベアリング
工業規格(AFBMA)
ANSI.AFBMA
Std.20
ABEC-1
RBEC-1
ABEC-3
RBEC-3
ABEC-5
RBEC-5
ABEC-7 ABEC-9 ラジアル軸受
(円すいころ
軸受を除く)
ANSI.AFBMA
Std.19.1
Class K Class N Class C Class B Class A 円すいころ軸受
メートル系
ANSI.B.3.19
AFBMA Std.19
Class 4 Class 2 Class 3 Class 0 Class 00 円すいころ軸受
インチ系
ANSI.AFBMA
Std.12.1
- Class 3P Class 5P
Class 5T
Class 7P
Class 7T
Class 9P 計器用玉軸受
メートル系
ANSI.AFBMA
Std.12.2
- Class 3P Class 5P
Class 5T
Class 7P
Class 7T
Class 9P 計器用玉軸受
インチ系
注1)ABECは玉軸受に、RBECはころ軸受に使用する。
備考  1. JIS B 1514とISO492.199およびDIN620は同等である。
2. JIS B 1514とAFBMA規格とは許容差または許容量が若干相違する。


特に、高い精度が要求される場合、P4、P2などの精密級を選定します。
精度はベアリング寸法により異なりますが、内径50~80、外径80~120の範囲で、P4、P4S、P2は以下の表となります。

精度等級 P4 P4S P2
内輪内径 0 ~ -7μm 0 ~ -7μm 0 ~ -4μm
外輪外径 0 ~ -8μm 0 ~ -8μm 0 ~ -5μm
内輪ラジアル振れ 4μm以下 2.5μm 2.5μm
内輪アキシアル振れ 6μm以下 5.0μm 5.0μm
※ラジアル振れ、アキシアル振れの実測平均は0~1μm程度です。

■回転精度について

軸受のラジアル振れとアキシアル振れ、そしてわずかではあるが転動体の相互差は主軸の回転精度に影響を与える。ラジアル振れは回転する軸受リングの肉厚の差異と同じである。それに対してアキシアル振れは軌道から軸受側面までの最大、最小距離の差異である。スラスト方向の荷重を受けることができるラジアルベアリングの場合には、ラジアル振れとアキシアル振れが互いに影響し合うことになる。軸受を側面方向に固定させた時、横振れによりラジアル振れやアキシアル振れを起こす。

転がり軸受の振れの値はまた転動体の相互差によっても影響を受ける。とは言え、転動体によるこの影響は精密な軸受の場合はほとんどなく、また多数の転動体の接触面における弾性変形に吸収されてしまうため正確な把握はできない。

転がり軸受の精度は普通ISO規格の精度等級でわけられる。スピンドルベアリングに関するかぎり、普通の公差では充分でない。そのため転がり軸受業界では各種の精度要求に合わせて標準公差より厳しいベアリングの精度等級を設定している。P6、P5、P4とP2というような精度等級がISOで決められている。

各種の軸受形状と特殊な用途に対しては精度等級SP(Super precision―精密級)、UP(Ultra precision―超精密級)、P4S(FAG仕様)が使用されている。

軸受リングの振れの値は、精密な軸受アッセンブリを左右する重要な要素であり、シューで支持した研磨方法を使っているため、非常に高い精度を保持できる。多くの場合、規格に許されている公差までの大きな偏差はない。

下図はタリロンド真円度の測定記録で、軸受の内輪を20~30回転させた結果である。この検査方法では転動体の誤差も含まれることになる。この方法により測定されたFAGのスピンドルベアリングのラジアル振れは1ミクロンにも満たなかった。


■B7017C.T.P4Sの回転精度測定



■軸受周囲部の影響

軸受周囲部の精度と転がり軸受の精度はお互いに影響をおよぼしあう。そこで下図では精密級そして超精密級の軸受に対するシャフトとハウジングの真円度、平行度、振れ、同心度の公差を示した。

実際の経験から、これらの条件下で、しかも通常の主軸寸法の場合、すなわち軸受の経が約120mmまでは、主軸回転精度は、精密級の軸受アッセンブリにおいては2~5ミクロン、高精密級軸受のアッセンブリにおいては1~3ミクロンである。

このような高い回転精度を得るためには、軸受の設計および取付けについて数多くのパラメータを軸受と軸受周囲部の精度以外にも考慮しなければならない。


■転がり軸受および周囲部品の精度と主軸精度との関係
  精密度ベアリング配置に対して 高精密級ベアリング配置に対して
転がり軸受の精度    
     円すいころ軸受 P5,SP  
複列円筒ころ軸受 SP UP
複式スラストアンギュラコンタクト玉軸受 SP UP
スピンドルベアリング P4 P4S, P2
周囲部品の制度    
主軸 真円度 IT0 IT01
平行度 IT1 IT0
振れ IT2 IT1
同心度 IT3 IT2
ハウジング 真円度 IT1 IT0
平行度 IT2 IT1
振れ IT3 IT2
同心度 IT4 IT3
達成できる主軸の精度    
  dmax=120mm 2-5μm 1-3μm