準備

1つのシールであらゆるアプリケーションに使えるものは、残念ながら存在しません。
どんなに高価で精密なシールであっても、正しく選定されないとその効果は発揮されません。
シールを選定するうえで、最低でも次の項目について確認が必要です。

確認項目

  • 現在のシール状況を確認
  • 機械内/外部の状況を確認

  • シール条件を確認
  • 浸入対策・漏れ対策

オイルシールの取付け方法ごとの確認事項

カバーへ内側から圧入している場合

オイルシールの位置決めショルダー(a)がある場合、 インプロシールを外側から圧入できないのでシールの仕様にあわせて全周円筒加工します。

カバーへ外側から圧入している場合

オイルシールの位置決めショルダー(b)がある場合インプロシールの油戻り溝が塞がれてシール性能を阻害しますので、ショルダーを全周円筒加工するか、下半分を削り油戻り溝を塞がないように、機械側のハウジングカバーを加工して下さい。

内部の容積を大きくすればさらにシール性能も向上します。

オイルシールではなく、水切り板などをご使用の場合

小形モータなどで一般的なシール方法である単純な油切りや隙間シールの場合、機械側のハウジング内径が軸径に近接させているためそのままインプロシールを取付けられません。

軸径+20㎜(+25㎜推奨) でハウジングカバー全周を円筒加工して下さい。 ハウジング内径の推奨公差は±0.025㎜です。

組付け方法

[1] ハンドプレスなどを使用しカバーへ組付けます。
・ドレイン穴がある場合は必ず6時の位置になるよう組込んでください。①
・ステータの肩がハウジング面にあたるまで押込んでください。

[2] 軸へ挿入補助剤を塗布する。
インプロシールに同梱されている、挿入補助剤を軸へ薄く塗ってください。 ②
他の潤滑剤は使用しないでください。

[3] 軸へ組付ける。
カバーに組込まれたインプロシールのロータを押し、組込みます。 ③
カバーだけを押すと、シールが損傷したり、脱落したりするため、必ずカバーではなくインプロシールを押して正しい位置になるまで組込んでください。

[4] 正しく組込めていることを確認する。
軸が適切に回転するかを確認します。 ④
※インプロシールは、分解しないでください。

組込み後の確認

軸回転
軸を手で回せる場合は、軸を回転させ、異音やスムーズに回転するかを確認してください。

直角
シールを取付ける際に軸とインプロシールの回転体とが直角であることを確認してください。斜めになっていると内部のOリングを損傷させたり、シール内部で接触が発生する恐れがあります。

ドレイン穴位置
ドレイン穴があるデザインの場合は、重力を使ってドレイン穴から排出します。ドレイン穴は必ず、大地側(6時の位置)にしてください。

適正な油面位置
油浴潤滑の場合、機械停止時において、適正な油面位置であることを確認してください。回転中は油面が下がるため、回転中に潤滑を入れると機械停止時にインプロシールから油漏れが起こることがあります。

よくある潤滑が漏れてくる原因

1.多すぎる潤滑
単純なようで最も多いのが潤滑が多すぎることによる漏れです。停止状態で適切な油面位置に給油してください。

2.誤った油戻り溝位置
多くのインプロシールには、潤滑が戻る構造があります。水平軸の場合、6時の位置に油戻り溝があるかを確認してください。

3.油戻り溝が塞がれている
機械側構造によって油戻り溝が塞がれていると潤滑を元へ戻せません。必ず、油戻り溝が広く開放状態にあるか確認してください。

4.不適切に追加された外付けタイプのオイラー
コンスタントレベルオイラーは油面に対し繊細に作用します。軸の回転方向に対し誤って取付けられていたり、管が機械に対し、確実に固定されていないと振動したりするため、マニュアルに従い正しく取付けていないことでインプロシールから漏れることがあります。

5.差圧による気流
シール付近のカップリングやファンなどによって発生する、シール内外における差圧で潤滑が漏れることがあります。

6.誤ったシールデザインの選定
一部のデザイン(VB45Uなど)を除くインプロシールは、潤滑の種類によりデザインが異なります。グリース用のものを油浴潤滑やオイルミスト潤滑などで使用することは出来ません。

お問い合わせ

何でもお気軽にお問い合わせください。
お近くの営業所でもうけたまわっております。

福田交易株式会社 本社営業部

03-5565-6811