転動体であるボールにセラミックを採用したハイブリッド軸受は、多くの高速アプリケーションで採用され、その性能は評価試験、フィールド実績から実証されています。
セラミック(窒化ケイ素 SiN4)は軸受鋼(100 Cr 6)と比較して、多くの利点を有しています。

長寿命化

  • 低摩耗:異物噛み込み等による転送面へのダメージが少ない。
  • 潤滑条件:低粘着、低摩擦により、悪条件下においても焼付きにくい。
  • グリース寿命:撹拌熱の低下、境界潤滑条件の向上により、グリース寿命を延長する。

高速性

軽量であることから遠心力の影響を受けにづらく、縦弾性係数が大きいことから接触楕円面積も小さくなります。低摩擦、低摩耗により鋼球と比較して、約30%許容回転数がアップします。
高速時における滑り摩擦はスピンロール比で示され、0.25を超えると寿命の低下を招きます。(図1)

高剛性

低速時のラジアル剛性は、縦弾性係数が大きいことから軸受鋼と比較して約15%高くなります。
高速時には遠心力の影響により、内外輪に対する荷重分布が異なるためラジアル剛性は減少しますが、遠心力の影響が小さいセラミックボールはその減少率が小さくなります。

加工精度の向上

高剛性、低発熱、低振動により、対象ワークに対する加工精度を向上させます。

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