背景

アメリカ・カリフォルニア州のロングビーチにあるパシフィック・コンテナ埠頭では、クレーンが大型のコンテナを、船やトラック、列車に積み降ろししています。
万が一クレーンが故障すると、すべてのプロセスは麻痺状態に陥ってしまいます。
クレーンのオーナーである"SSA Marine社"では、50トンの荷物を吊り上げることのできるクレーンを全部で10台所持していますが、何年にもわたって、慢性的なベアリング損傷に苦しんできました。

不可解な問題

クレーンは、650馬力(487.5kW)直流モータ×2台で構成され、吊り荷を上げ下げしています。 ロサンゼルスのモータ整備会社"Reed Electric社"は当初、1台のクレーンモータが故障したため、ベアリングを交換しました。
それでも状況は改善せず、2ヶ月もしないうちに、ベアリングのフルーティング損傷による騒音が発生し始めました。

8トンもあるモータを代替機へ交換することは並大抵のことではなく、モータの載せ替えのためにクレーンの運転を16~18時間程度休止させる必要があり、その代償は莫大です。
壊れたモータは通常、Reed Electric社の整備工場へ持ち帰る必要があり、非効率な方法で、莫大な費用がかかっていました。

「想像できないくらいストレスのたまることだったよ」とReed Electric社フィールド・サービス・マネージャ=ロバート・マルチネス氏は話し、「ベアリングがうなるのが聞こえて、それが何が原因なのか、見つけ出そうとしたんだ」と続けました。

マルチネス氏と彼のチームは、それが軸電流によるベアリング内で起こったピットが原因であることを突き止めます。これらの電流を排除するために、Reed Electric社はアースブラシを取付けましたが、旧来からあるアースブラシは、これらのモータのベアリングで発生する放電からベアリングを保護するには力不足でした。

大きなモータにおける問題解決は、挑戦そのものです。 つぎにReed Electric社は反負荷側のベアリングを絶縁ベアリングに替えてみましたが、これは反負荷側のベアリング保護にはなったものの、絶縁ベアリングに対してインピーダンスの低い負荷側のベアリングで損傷が起こり、単に問題の場所が移っただけでした。

ついに見つけた『イージス® PROシリーズベアリング保護リング』という解決策

Reed Electric社がベアリングを購入している代理店を埠頭へ招き、マルチネス氏とReed社の専門家と問題を検証しました。

結論は、イージス® アースリングを負荷側軸へ取付けてみるということで、イージス® リングのメーカのアドバイスで、今回のような大形モータでは、大電流用のPROシリーズが必要であるということでした。

イージス® PROシリーズは大電流用途で特別に開発された、大形の直流モータや中圧モータ、発電機、タービンのベアリング保護に適しており、有害な軸電流を、ベアリングから安全にアースへ導くことで、設備の信頼性を高めます。

イージスPROリング
イージスPROリング

導入効果

安堵のため息

Reed Electric社は2012年前半に、最初のイージス® PROリングをクレーンモータへ取付けました。

軸に長いキー溝があったため、カラーを取付け、リングのファイバが効率的に軸へ接触するようにしました。これは、リングが大きいことにより、さらに大きな電流を許容できるということにもなりました。

推奨方法に従い、絶縁ベアリングがリング反対側へ取付けられました。

モータがクレーンへ戻され、2ヶ月が過ぎ、まったく問題が起こりません。3ヶ月が過ぎてから、マルチネス氏はホッと安堵のため息をもらしました。

8月1日までに、Reed Electric社は5台のモータを同じように、改造整備し、合計6台のモータがイージス® PROリングを取付けられ、ベアリング損傷の兆候がまったくありません。
SSA Marine社は残りの14台のクレーンモータも、ベアリング交換の際に同じ対策をとるよう、Reed Electric社に依頼しています。

さらにこの成功を、カリフォルニアにある他のクレーン保有者にも伝えたところ、たち悪く繰り返すベアリング故障を解決したいと、Reed社に問合せが入っています。

本当に手品のようだ

最初は、懐疑的な見方をしていたマルチネス氏も、今やPROリングの信者です。
「我々は1~2ヶ月に1回、毎回モータを取り外していたよ」と彼は話し、「これまで6台のモータにイージス® リングを取付けて、ただの一度も問題は起こっていないよ」と続けました。
SSA Marine社は、残るモータすべてにも対策するよう推し進めています。

マルチネス氏は、「我々はこれからもPROリングを使い続けるよ。だって、よく効くし、手品のようだからね」と話します。

新しいオーバーホールの手順により、稼働が長くできたことで、SSA Marine社が得る利益を、マルチネス氏だけが算出することができます。
「ベアリングやダウンタイムの損失、そして何度も何度も繰り返しモータを取外し、組み付け続けるための人件費などを考えれば、対策による利益は莫大だ」と話しました。

メンテナンスフリーの軸アースリング『イージス® PROシリーズ』

メンテナンスフリーのイージス®PROシリーズは、発電機やモータの軸径30"(762mm)まで対応することができます。既設機械への取付けでは二つ割れのPROリングが簡単な組込みを実現します。

イージス® PROシリーズ

しっかりとイージス®のFiberLock機構がリング全周を守り、6層の導電性マクロファイバが完全にモータの軸を覆い、数100万箇所の接点が有害電流を安全にアースへ導きます。

 

イージス® PROシリーズは、今日において、市場の中で、最も長寿命で、効果的な軸アース技術製品です。

 

イージス® リングは、油や砂塵、グリースなど異物が存在する環境でも機能します。予防保全の取組みの1つとして、既設のモータへ取付けたり、ベアリング交換のときに取付けたりすることができます。

 

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