背景

アメリカの空港における省エネ化の潮流

消費電力削減の目標や、運用コスト低減の必要性により、アメリカの多くの空港は、環境負荷低減のための設備改良や運用改善に対して非常に積極的です。

空港で乗客の預け荷物を返却するバゲージクレームや、その搬送システムにおけるインバータ制御は、消費電力の削減だけではなく、正確にモータの回転数を制御できるメリットもあり、スムースなコンベア運転や搬送を実現します。

インバータの役割

インバータはモータの回転数を下げることにより、消費エネルギーを抑えます。 室内空調やエアハンドリングユニット、ポンプモータを制御する場合、インバータは負荷の変化に合わせて回転数を下げて、エネルギー消費量を30%以上落とすことができます。

アプリケーション例

  • 預け荷物搬送コンベア
  • ターンテーブル
  • 動く歩道
  • 空調排気ファン
  • 空調エアハンドルユニット
  • 冷却水ポンプ
  • 上下水ポンプ
  • 燃料ポンプ
  • 食品搬送用リフト
  • ゴミ圧縮機

インバータ制御モータにおける放電リスク

しかし、インバータはモータの軸に電流を発生させ、それがベアリングでピッティング、フルーティング、場合によっては致命的なモータ故障を引き起こす放電を発生させることがあります。

何も対策を施していない標準モータでは、せっかくインバータによりカットできた電気代が、故障や設備停止などの復旧費用で簡単に消し飛んでしまうこともあります。

インバータシステムを持続可能なものにするために、信頼性のあるベアリング保護が必要になります。イージス® SGR(軸アースリング)を導入し、ベアリングに流れる電流を安全・確実にアースへ導きました。


導入効果

導入前後を調査

このフィールド・レポートは、米国ミルウォーキー州ウィスコンシンにあるミッチェル・フィールド空港で行われました。

【左】回転部用モータ:3.7kW-184T / 【右】コンベア用モータ:0.75kW-143T

電圧は、空港のTC1コンソールのターンテーブルで測定され、イージス® SGRの取付け前後で行いました。

検証されたモータは、回転部用とコンベア用のNEMAプレミアム・インバータ対応用モータ、5HP(3.7kW)のNEMA枠番184Tと、1HP(0.75kW)のNEMA枠番143Tです。

いずれもモータベアリングでEDMピッティングを引き起こしている、高いピーク-ピーク電圧が確認され、ベアリングの軌道面でフルーティングを起こす可能性があります。

調査結果

イージス® SGRをモータへ組込み後の測定では、リングが効果的に、ベアリングから有害な軸電流をアースへ導いていることが確認されました。

3.7kW 184T
【左】イージス® SGRなし:14.4Vp-p / 【右】イージス® SGRあり:3.0Vp-p
0.75kW 143T
【左】イージス® SGRなし:3.2Vp-p / 【右】イージス® SGRあり:3.0Vp-p

イージス® SGRアースリングをモータの軸へ取付けた後は、損傷を引き起こす軸電流がベアリングから効果的に取り除かれているのが確認でき、ピーク-ピーク電圧は無視できるほどまで下がりました。

全世界、数百万以上のモータでその効果が証明されているイージス® SGRは、インバータによる電流からモータを保護し、予期せぬ設備停止を劇的に減らします。

モータの寿命を飛躍的に伸ばし、機械そのものの信頼性を向上させる「イージス® リング付きモータ」は、モータメーカーにご指定ください。

詳細情報:est-aegis.com/oem

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