大量の潤滑油・紙粉・水に覆われた軸受箱
  • お 客 様 製紙会社(板紙)A社
  • 軸受種類 自動調心ころ軸受
  • 導入商品 INPRO/SEALベアリングアイソレータ
  • 導 入 前 改造ラビリンス構造
  • 対象機械 抄紙機ロール

背景

製紙会社の抄紙機は、水・湿気や紙粉が舞った環境で、長時間継続的に運転されます。1つの軸受損傷は、抄紙機ラインの停止を招き、設備停止の機会と停止時間(ダウンタイム)が大きければ大きいほど、莫大な生産損失を意味します。

こちらの製紙会社では、過去に軸受損傷により年に3度の軸受交換、さらに1度の緊急停止に経験し、痛手を被った経験がありました。軸受損傷が一度発生すると、300分を超える時間の操業停止が余儀なくされ、生産計画へ大きな影響を与えます。

元々、機械メーカ標準として取り付けられていたオイルシールから、ハウジング構造をラビリンス化させて軸受保護を強化しましたが、それでも問題収束に至らず、転動体・内外輪損傷、グリース変色、菊座金やスペーサなどの故障を引き起こし、致命的なフレーキングも発生させていました。

問題点

  • 1年に複数回発生する軸受交換の手間と復旧時間
  • 2突発的な故障で莫大なダウンタイム損失が発生
  • 3ボトムロール修繕にはトップロールも移動させるなど大変な手間と労力がかかる

作業レポート

こちらのお客様は、まず比較的、シール改善のチャレンジハードルが低い、ポンプやギアボックスで、オイルシールから、インプロシールのラビリンスシールへ交換・導入して頂き、その性能を実感頂いた上で、徐々に比較的小径のロール複数個所から導入を進め、この大きなロールへの導入を検討されました。
当社エンジニアとの入念な仕様打合せを経て、このロール、操作側・反操作側ともにインプロシールを導入することと決められました。

インプロシールのラビリンスシール化の典型事例(ポンプや減速機)

お客様の声

『もともと、ロールのコーティング修繕のため、1年ごとにロールを交換していましたが、数か月で軸受損傷していましたが、インプロシールのラビリンスシールを導入してからは、1年間、問題なく稼働できるようになりました』


導入のメリット

インプロシールのシール性能は、最高でIP66相当の保護等級を擁し、粉塵や、あらゆる⽅向からの強い噴流水がシール部に直撃しても、ベアリングに異物を浸⼊させないほど強⼒です。現在ではこのロールに限らず、フェルトロールなど他のロールを含め、ポンプ、減速機など、幅広い機械へ、インプロシールの導入が進んでいます。


総評

担当者コメント

オイルシールなどのリップシールは定期的な交換や軸の摩耗補修などが必要です。今回のこのような大きな機械の場合、ロールの"たわみ"も大きくなり、オイルシールのリップに異物が侵入・留まりやすくなり、摩耗を促進させることがあります。
非接触のラビリンスシール Inpro/Sealベアリングアイソレータは、お客様の設備仕様や寸法制約にあわせ、都度設計・提案・製造することで、モータやギアボックス、ポンプ、粉体・流体機器、タービン、ピローブロック等のあらゆる回転設備で広く、数多くの改善実績を持っています。さらに、シール部が調芯するタイプもあり、大きな機械特有の事情においても、高いシール性能を発揮しています。

また、オイルシール等の接触シールとは異なり、非接触のラビリンスシールのため、動力損失が無くメンテナンスフリーの為、消費電力削減や定期購入しているメンテナンス用パーツ購入コストの削減、またメンテナンスにかかる人件費のコスト削減等のランニングコスト削減に大きく貢献できます。是非、お気軽に軸受延命、生産設備のアップタイム向上のためにご相談ください。

お問い合わせ

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福田交易株式会社 本社営業部

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