特殊エラストマーによる成功事例【バルブ】

PPE(Precision Polymer Engineering)は、あらゆる産業で使用されるバルブに対し、最適なシーリングソリューションを提案します。1975年の設立以来、長年にわたる経験と豊富なエラストマーグレードのラインナップを強みに、爆発的な減圧、サワーガス、極端な温度など過酷な環境に使用されるバルブにおけるシールの課題を解決してきました。

ボールバルブのシール寿命を従来の2倍に

課題

お客様はボールバルブのPTFE製ステムシールに問題があり、他社製シールへ変更しました。しかし、このシールは熱劣化により非常に脆くなる欠点があり、短期間で漏れが発生する新たな課題が生じました。

PPEのソリューション

PPEはボールバルブステムとその周辺のOリングへ、多くの規格をクリアした高温環境対応のエラストマー材料(FFKM) Perlast®G75Bを選定しました。長期間の運用においてもシール性を損なわないため、ダウンタイム削減による生産効率の改善を実現します。導入に伴うテストがお客様のエンジニアチームとエンドユーザーによって行われ、その良好な結果は高く評価されました。

結果

PPEのシール導入により、ボールバルブの動作寿命は2倍になりました。Perlast®G75Bへの信頼から、年２回であったメンテナンス周期を年1回に延長でき、効率的な生産体制を提供できました。

真空排出セグメントボールバルブの寿命を延長

課題

お客様は長きにわたりバルブ製品のエンベロープシールにEPDMを採用してきました。しかしEPDMはトルエン系の攻撃的な溶剤などの化学媒体に脆弱性を示すため、これらを取扱う機器への対応が課題となりました。

耐薬品性に優れるPTFEなどのシール材料も検討されましたが、一部の製造プロセスで必要な真空環境条件を満足できずにいました。

PPEのソリューション

PPEは豊富な種類のエラストマーグレードから、真空かつ-15ºC～+260ºCの温度範囲の混合溶媒に繰返し接触する真空排出ボールバルブに最適なエラストマーとして、FDA規格準拠のPerlast®G70S(FFKM)を選定しました。

結果

PPE の材料科学者によって開発されたこの拡張性の高いPerlast®エンベロープシールは、化学処理および医薬品製造プロセスの試験において、真空排出ボールバルブの動作寿命を大幅に延長しました。この成果はバルブのメンテナンス期間の延長につながり、シール部の漏れ抑制と機器のダウンタイム削減を実現しました。

高温蒸気環境向けボールバルブ製品の性能向上

課題

ボールバルブに使用していた、他社製シールの耐熱温度は最大230℃でした。そのため、お客様は市場から要求されるより高温環境の事業領域に踏み込めず、新たなビジネスチャンスを逃していました。

PPEのソリューション

この課題に対し、PPEは高い耐熱性を備えたFEPM材料Aflas®A75Hを提案しました。このシールは250℃から290℃までの瞬間的な温度上昇環境と温水/蒸気環境に適しています。

結果

お客様は高温の温水/蒸気環境アプリケーションに対応できるバルブを製品化し、エンドユーザーが要求する仕様を満足できる製品の提供ができるようになりました。また、PPEの高品質な製品とトレーサビリティシステムは、在庫の適正化を促すことにつながり、収益が上がりました。

Aflas®はAGC株式会社の登録商標です。

燃料噴射バルブへのソリューション

課題

ディーゼル機関の構成部品に使用されていた既存の燃料噴射バルブ（燃料噴射弁）のシールは、寿命が8000時間を下回るFKM材料のシールでした。想定寿命よりも早く修理が必要となり、その計画外の乾ドック整備には1日あたり100,000ユーロ(約\13,000,000)の莫大なコストが発生しました。この整備費用の負担は非常に大きく、計画外の修理発生を排除できる長寿命シールが求められました。

PPEのソリューション

PPEは重油（HFO）から軽油（LFO）への燃料切り替えに対応し、なおかつ長期間のシール性を維持するため、高い耐熱性を備えた高フッ素化FKMを選択しました。

結果

PPEの高フッ素化FKMシールは12,000時間におよぶフィールドテストにおいても問題なく性能を発揮し、燃料噴射バルブに要求される仕様を満足する特殊エラストマーであることを証明しました。