
- お 客 様 製紙工場
- 対象装置 渦巻ポンプ
- 取付箇所 軸受箱
- 導入商品 INPRO/SEAL ベアリングアイソレータ
- 導 入 前 オイルシール
背景
木材チップから繊維を抽出する連続蒸解釜を有する生産ラインは、製紙工場の要となる設備です。
蒸解釜から抽出された繊維は、洗浄→精選→漂白→調合など多くの工程を経て白水となり抄紙機へ送られます。
製紙工場には数多くの渦巻ポンプが設備され、その軸受箱には多くのオイルシールが使用されています。
接触タイプのオイルシールは入手性やシール性などの利点と相反して、シールリップの摩耗とシャフト/スリーブの摩耗が起こるため、定期的な現場巡回による状態確認が必要です。
オイルシールのメンテナンスでは、オイルシール交換以外にも、シャフト/スリーブ、軸受や潤滑油も同時に整備され、整備後にはモーターとのアライメント調整で時間を要する工事となります。
問題点
- 1オイルシール交換とシャフト/スリーブの摩耗の修正
- 2現場巡回による定期的な状態確認
- 3メンテナンス実施への計画と段取り
ベアリングアイソレーター導入後
オイルシールの寸法を参考にし、インプロシールを選定いただき導入が決まりました。
逆洗タンク送りポンプ(2013年9月)と循環白水ポンプ(2015年9月)に導入され、現在(2023年12月)もポンプの整備無しで稼働しています。
屋外に設備されたポンプは海風などの影響により、表面の腐食が見受けられますがシール性が維持されることで、軸受箱内部からの潤滑漏れ、外部からの粉塵・雨水の侵入を防ぐことで、ポンプのメンテナンスフリー化を成し遂げています。
逆洗タンク送りポンプ

循環白水ポンプ

総評
担当者コメント
定期訪問の際に、ご担当者様の寛容な人柄に甘えて「10年前にご購入いただきましたインプロシールはいかがでしょうか?」と少々的外れな質問を投げかけたことがきっかけとなり、対象ポンプの整備履歴を教えてもらいました。
"便りの無いのは良い便り"ではありませんが、ご採用シールのみならず、軸受もメンテナンスフリーを具現化できたことを一緒に確認する機会に恵まれました。
当初よりインプロシールの商品単価はオイルシールの倍以上と、正直に説明していますが、オイルシールの場合には10年間では複数回の整備が必要になるため、インプロシールは先を見据えた設備保全活動のお役に立てた結果となりました。
製紙工場では渦巻ポンプ以外にも、抄紙ロール、リファイナー、パルパー、スクリューコンベヤなどさまざまな機械にインプロシールはお役立ちできます。