背景

インバータによるモータ温度上昇の比較テスト

最高回転数45,000min-1の高周波スピンドルを搭載した工作機械の事例で、スピンドルの発熱による短寿命に問題をかかえているユーザー様がいらっしゃいました。

スピンドルの発熱には、基本構造によるものや冷却方法に起因する影響もありますが、ここではスピンドルを駆動する電気的な条件に着目して、インバータの比較テストを行いました。

比較には3社の異なる特性のインバータを使用した場合に、どの程度モータの発熱に影響を与えるか検証しました。運転には高周波スピンドルにツールを取り付けない(無負荷)状態で、停止状態から最高回転数まで回転させ、スピンドルシャフト中空部を非接触温度計で測定したものです。

※B社インバータは26,000min-1近傍で異音と振動が発生し、高温のためテスト運転中止

温度比較のグラフ

導入効果

比較テストの結果、SIEB&MEYER社とA社のインバータを比較すると低回転~20,000-1程度は大きな差は出ていませんが、20,000~45,000min-1の回転域ではモータの発熱に対して、SIEB&MEYER社インバータの優位性が表れました。

この検証によって、ユーザー様の懸念していたスピンドルの発熱に対してSIEB&MEYER社のインバータが有用であることが明らかになったため、採用に至りました。


SIEB&MEYER社インバータの特徴


スピンドルの長寿命化、発熱による軸伸びの抑制

インバータが原因となるモータ損失の約90%はロータで発生し、モータにとって有害な発熱に影響します。

体積の小さな高速モータ(ロータ)は表面積が小さいため、放熱に対して不利な条件になります。SIEB&MEYER社のSD2xシリーズの制御方式は、モータ電流の高調波を低減させることによってモータの発熱抑制に効果を発揮します。

モータ発熱はボールベアリングの長寿命化だけではなく、軸伸びによるワークの仕上げ面性状や加工品質に影響することから、インバータの選定にも注意する必要があります。

安全性能

SD2xシリーズは負荷インジケータの機能が標準搭載されており、モータ電流のトルク生成部分を監視します。

この機能はツールの破損や摩耗を考慮し、予めパラメータ設定した閾値を超えた場合に、機械の停止または送り速度の低減によって、周辺機器の損傷を回避することに役立ちます。

担当者コメント

制御課

SIEB&MEYER社は、欧州スピンドルメーカーから推奨されている、歴史と実績のあるインバータメーカーです。駆動させるモータの仕様に応じて、0.3~432kVAの出力範囲と、0~8000Hzの出力周波数をカバーしており、最適なインバータが選択頂けます。
是非、お気軽にご相談ください。

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福田交易株式会社 本社営業部

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