オートバランサとは主に研削盤主軸のバランス取りに使用される、砥石のバランスを回転中に自動で修正する装置です。

オートバランサは円筒形状で、2つのウエイトとウエイト駆動用モーターが内蔵されており、主軸センターに配置します。外部から電源供給を受けたウエイト駆動用のモーターが2つのウエイトを周回上に移動させ、その合力が作りだすベクトルでアンバランスを打ち消します。主軸には加速度ピックアップが取り付けられ、そこからの信号をベースにコントローラが解析・演算し、ウエイトに移動方向や移動量の指示を出します。オートバランサには、砥石とワークやドレッサーとの接触検知をするAEセンサが内蔵されることも多くあります。

かつては、オートバランサはクーラントを用いたタイプのものが主流でした。チャンバーと呼ばれる内部が複数に仕切られた円形状のタンクを砥石フランジに取り付け、外部ノズルからチャンバーに対しクーラントを注水することで、クーラントをウエイト代わりにしてバランスを取っていました。しかし、クーラントのメンテナンスの問題や、チャンバーが満杯となるとそれ以上のバランス補正ができず一度主軸の回転を止める必要があることから、現在はメンテナンスフリーのメカニカルタイプのオートバランサが主流となっています。

メカニカルタイプのオートバランサの多くは円筒状の形状になっており、主軸の中心に埋め込む必要があります。主軸がATC(工具自動交換)仕様の場合、ドローバーが同様に主軸の中心に組み込まれているため共存することができません。その場合は、リングタイプのダイレクトドライブ方式のオートバランサが用いられます。ダイレクトドライブ方式はウエイトを高速で移動させることができるため、旋盤のワーク軸に使用されることもあります。例えば、非対称形状のワーク加工時には、非対称形状のワークを回転させることに起因する大きなアンバランスが発生しますが、これを自動で修正することができます。ワーク品質はもとより、ワーク軸のベアリングや工具寿命の向上にも効果があります。

アブソリュートオートバランサ

アブソリュートオートバランサとは、このバランサウエイトの移動位置の演算に、ウエイトの位置情報を利用します。従来型のオートバランサでは、トライアンドエラーロジックでウエイトを規定の方向へ動かしたときの振動の変化を読み取り、その方向が正しいかどうか判断します。対して、アブソリュート方式では、ポジションセンサをオートバランサ本体に内蔵することで、常にバランサウエイトの位置を把握することができるため、トライアンドエラーのプロセスなくアンバランスを解消するウエイト位置を算出することができます。従来型のオートバランサに比べ、バランス補正に要する時間は圧倒的に短くなります。

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