概要
エラストマーとは、ゴム弾性を有する工業用材料の総称を示しています。『elastic(弾力のある)』と『polymer(重合体)』を組み合わせた造語です。
種類
1. 熱硬化性エラストマー(Thermosetting Elastmers)
ある一定の範囲において、熱を加えても軟化することがなく、比較的耐熱性が高いエラストマーのことで、一般的に『ゴム』と呼んでいるのはこのタイプの樹脂材料のことです。
原材料に加硫剤を混錬したのち加熱することにより得られる樹脂材料が、狭義の『ゴム』を指しており、
さらに天然ゴムならびに合成ゴムに分類されます。
それ以外に、熱硬化性樹脂系エラストマーをさすこともあり、ウレタンゴムの一部やシリコーンゴム、
フッ素系ゴムが該当します。
用途
オイルシール、Vリング、Oリング、リップシール、パッキン、シールワッシャ―、ガスケット、防振ゴムに用いられます。
2. 熱可塑性エラストマー(Thermoplastic Elastmers[TPE])
熱を加えることにより軟化して流動性を有し、逆に冷却することによりゴム状に戻る性質を持つエラストマーのことです。
スチレン系、オレフィン/アルケン系、エステル系、アミド系が挙げられます。射出成形によって迅速に成型加工が可能である利点を持っていますが、熱によって変形するため、一般的に耐熱性を求められる用途には適していないものとされています。
製品適用事例 / Vリングの場合
金属や繊維などの補強材を使用しない単一材料で作られたゴムシールのV-リングは、ゴムの柔軟性を活かしたリップにより、静止した相手側端面をシールするフェイスシールです。小径から大径まで、世界中の様々な用途・環境で幅広く採用されています。
また、固定シールとして使うことで、高い周速でもお使いいただけます。
モータ、ポンプなどの回転機器
大型機器などの回転部分(風力発電機、製紙機械、製鐵機械ほか)
- 幅広い軸径に対応し、芯振れや偏芯にも追従します。
- 動力損失や摩擦熱の発生を最小限に抑制します。
- 簡単な取り付け、様々な断面形状と材質(ニトリウムゴム、フッ素ゴムほか)より選択が可能です。