概要

FFT(高速フーリエ変換)

19世紀フランスの数学者・物理学者で次元解析の創始者とされるジョゼフ・フーリエに由来するフーリエ変換は、複雑な波形も同じ形を繰り返す周期性を持った波であれば、複数の単純な正弦波と余弦波の級数で表現することが出来るという理論となります。
この理論を基にJ.W.Cooley と J.W.Tukey によって考案された方法がFFT(高速フーリエ変換)となります。
一般的に振動はいくつかの周波数が混ざった複雑な波形であり、評価することが困難です。
しかし、複雑な波形は周波数が異なる単調な正弦波に分解することが可能であり、FFTは、その正弦波が各周波数に対してどれくらい含まれているかを分解し評価することができる処理方法です。

FFT解析を使用した振動診断

アンバランスやベアリング故障など、機械から発生する振動がどこの周波数位置にあたるかは機械の構造によって決まります。
一般的に、設備から発生する異常にはそれぞれ異なる周波数の振動が発生し、いくつかの原因が組み合わさった複雑な波形となっています。
FFT解析を用いた周波数分析をすることで、この波形から振動原因となる特徴的な周波数を診断することが可能となります。
故障の初期段階や微小な異常の場合、振動値や時間軸波形にはほとんど変化が無く検出が困難なため、FFT解析を用いた周波数分析をすることにより微小な異常の診断も可能となります。
また、異常を早期に検知することがで、壊滅的な機械の損傷を回避することができます。
現在、この様なFFT解析を用いた振動分析による設備管理・異常診断方法が広く採用されています。

FFT解析用ツール

FFT解析用ツールとしてFFTアナライザがあげられます。
FFTアナライザは取得した信号や波形の周波数分布を高速フーリエ変換によって周波数ドメインを表示する計測器となります。
その他、FFT解析用ツールとしてFFTモードを備えたデジタル・ストレージオシロスコープ等が挙げられます。

お問い合わせ

何でもお気軽にお問い合わせください。
お近くの営業所でもうけたまわっております。

福田交易株式会社 本社営業部

03-5565-6811