概要
ベアリングの製造工程は、大きく分けて加工工程と組立工程に分かれます。ボールはボール製造メーカからの購入品が一般的で、ベアリングメーカは内外輪の加工(旋削加工→研削加工→仕上加工)と組立をメインに行っています。
ミニチュアサイズや小径サイズ(外径φ30mm前後以下 ※メーカ、ベアリングの種類により異なる)の場合には、その生産性からバー材から荒加工を行い単体リングに切断し後工程に進むのが一般的です。それより大きいサイズの場合、生産性と設備機の関係から、後述するグリーンリングか、ブラックリングからベアリングメーカでの内外輪の加工がスタートします。
グリーンリング
大まかに鍛造後、旋削加工を施したものを言います。一般的なベアリングのリングは軸受鋼で製造されますので、決してグリーン(緑色)ではありません。語源は諸説ありますが、未完成のベアリングでこの先まだまだ完成までには多くの工程があるため、まだまだ青二才、新米だからというような意味が込められているようです。
ブラックリング
グリーンリングが色を表しているのではないことを述べました。これに対して、ブラックリングはどのような語源があるのでしょうか?
残念ながらブラックリングの場合には、特に深い意味があるわけではなく、まさにリングの色を表しています。ベアリングメーカでは製造するリングのサイズにより、バー材から加工するか、グリーンリングから加工するか、あるいはブラックリングから加工するか、大きく分けて三通りあるわけですが、バー材やグリーンリングからの加工の場合には、旋削仕上工程後に熱処理を施します。この熱処理後のリングの色がブラック(黒色)であることから、ブラックリングと呼ばれるようになったようです。
(グリーンでもブラックでもありません)