概要
モーメント荷重とは回転軸を傾ける（曲げる）、回転軸に角度を与える荷重のことを意味します（力のモーメント）。力のモーメントの主な単位はNm [ニュートンメートル]、kNm [キロニュートンメートル] になり、以下の式で求めることが可能です。
力のモーメント [Nm] ＝（距離）[m] ×（力）[N]
図1をご覧ください。
この状態では軸の片側にのみ重りがついていますので、このままでは軸が回転し倒れてしまいます。
左側に5 [m] × 10 [N] = 50 [Nm] のモーメントが負荷されております。 では、軸を倒さないようにするためにはどうすればよいでしょうか？答えは「反対側（右側）に同じ力のモーメントを負荷する」、すなわち、左側と右側で力のモーメントを同じにすれば良い（力のモーメントをつり合わせる）ということになります。
仮に支点から右側の重りまでの距離が20 [m] だとした場合、何 [N] の力を右側にかければよいでしょうか？左側の力のモーメントは50 [Nm] になりますので、右側の力のモーメントも50 [Nm] にする必要があります。（図2）
力のモーメントの計算式は前述の式より、 50 [Nm] = 20 [m] ×（力）[N]となります。 よって、つり合わせるのに必要な力は 2.5 [N] となります。
力のモーメントはトルクとも呼ばれ、はるか昔、てこの原理として経験的に知られておりました。このてこの原理を発見した人物が、かの有名なアルキメデスになります。 一説によりますと、アルキメデスは「私が地球の外に立つことができれば地球を動かしてみせましょう」と当時の王様に伝えたという話があるようです。