概要
工作機械の主軸などにみられる摺動部ではたえず摩擦が生じます。その摩擦による焼き付きや温度上昇を抑えるためには『潤滑』が必要になります。オイルミスト潤滑は油(オイル)を使用した潤滑方法の一つです。
オイルミスト潤滑装置ではオイルタンクから吸い上げられた油滴が圧縮空気によりミスト化されます。このドライミスト(ミスト状の油を含んだ空気)が配管内を通り、軸受などの潤滑点でノズルによってウェットミスト(粒状の油)に変わり給油される方式がオイルミスト潤滑です。
オイルミスト潤滑の利点としては、つねに新しい油が供給され油が劣化しないため、潤滑効果が高く寿命が延びます。また、圧縮空気の供給により潤滑点の冷却効果も見込めます。 反対に圧縮空気の圧力や油粘度により潤滑油量にばらつきが出てしまうのが欠点です。また、排出される空気内にミスト状の油が含まれることが環境汚染や人体への影響に対して厳しい昨今ではマイナス面となっています。