概要
ここでは軸受(英語ではベアリング「bearing」と呼ばれます)に負荷されるラジアル荷重に焦点をあてます。JIS B 0104「転がり軸受用語」(対応国際規格:ISO5593「Rolling bearing - Vocabulary」)に記載されている定義によりますと、ラジアル荷重とは「軸受中心軸に対し、垂直な方向に働く荷重」と読み解くことができます。ラジアル荷重のイメージに関しましては以下の図をご参照ください。

図にはアンギュラ玉軸受を例に載せましたが、深溝玉軸受、円筒ころ軸受等、他の軸受が組付けられている場合でもラジアル荷重の向きおよび考え方は同じになります。
軸受の中にはラジアル荷重を受けることができない軸受(スラスト玉軸受、スラスト円筒ころ軸受、スラスト円すいころ軸受等)が存在するため、軸受選定時には注意が必要です。軸受に負荷されるラジアル荷重の主な単位はN [ニュートン]、kN [キロニュートン] になります。
なお、ラジアル(radial)の語源はラテン語のradiusという説があります。radiはラテン語で「中心点から外に出ている」を意味するようで、そこからradiusは「光線」、「車輪の軸から放射状に伸びている棒」等、様々な意味を持つようになったようです。
このような背景の過程で「半径」という意味合いも獲得したと推測されます。
*語源に関しましては諸説ございます。参考程度にお読みいただけますと幸いです。