伝動ベルトの種類と特徴

動力伝達ベルトとしては、摩擦ベルトと歯付ベルト(タイミング・ベルト)がありますが、必ずしもシンクロ性が必要でないケースで、もっとも普及しているタイプがV型の断面形状のVベルトです。

摩擦ベルト

摩擦ベルト

Vベルトのサイズ

(三ツ星ベルト資料より)

Vベルトのサイズ

ISO規格のウェッジタイプ

ISO規格のウェッジタイプ

ベルトのサイズはメーカーによって若干異なる場合があります

日本の細幅Vベルト・タイプはアメリカのRMA(Rubber Manufactures Association) 規格(3V, 5V, 8Vなど)を採用していますが、ヨーロッパではISO規格があり、その種類の豊富さと高伝達性から標準Vベルト以上に多用されています。

したがって、輸入したヨーロッパ製の機械でSPベルト(ISO規格のウェッジタイプ)が使用されているケースがしばしばあります。SPZに対して3V、SPBに対して5Vがほぼ近いサイズで互換とされる場合がありますが、周長がインチとメトリックで違いますので注意が必要です。

Vベルトの呼び番と周長

Vベルトの呼び番は、ベルトの形とインチの周長を表しています。
例)>A-50 → A形で、周長 50インチ(50 x 25.4mm = 約1270 mm
  5V-2000 → 5V形で、周長 200インチ(約5080 mm
  (ウェッジタイプの周長はインチ x 10で表されています)
  SPA-1250 → SPA形で、周長 1250 mm
  (メトリック表示なのでそのままの数字が周長になります)

刻みが入ったVベルト(コグ付きVベルト)

コグ付きVベルト

見た目タイミング・ベルトのように、Vベルトの底面に刻みが入ったタイプがコグ付きVベルトです。このように凹凸形状にすることによって曲げやすくなり、伝動容量も高くなり、より小径プーリーにも追従するようになります。
記号としてはXが付きます。

例)
A形のコグ付き → AX
5V形のコグ付き → 5VX
SPA形のコグ付き → XPA(SPのSが消えてXに替わります)

コグ付きVベルトは標準Vベルトより高い伝動容量になるので、標準Vベルトでは置き換えできません。見た目や型式が似ていても、コグ(X)付きはまったく異なりますので注意が必要です。

なぜVベルトか

動力伝達にはさまざまな方法があり、近年ではモーターから直結というのも増えてきています。
しかしながら、種類が豊富で、静音性に優れ低コスト、工業機械への柔軟性も高く、広く普及している分、市場でも入手性が良いという点では、Vベルトに代わるものがなく、もっともVベルトが多用されている理由ではないでしょうか。

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