概要

FFKMは優れた耐熱性と耐薬品性を有するエラストマーです。FFKM以外にもFFPM、パーフロロエラストマー、パーフルオロエラストマー、パーフロなどさまざまな呼び名があります。

FFKMは260℃までの連続高温環境に対する耐熱性を示し、最高330℃までその性能を発揮します。※1これらの特性を有しているのは化学的に非常に不活性であり物質として安定しているためです。
エラストマーの性質※2を付与したPTFEという認識で相違ありません。そのため、FKMをはじめとする優れた特性を示す他のエラストマーを攻撃する化学物質の大部分に対しても耐性を示します。
このほかの特性として、硫化水素(H2S)を含む天然ガスに対する優れた耐性、高温蒸気・真空下での低ガス放出性、および長期高温環境における優れた圧縮永久歪み耐性が挙げられます。

※1:当社取り扱い製品PPE: PERLAST® "Perfluoroelastomers Parts:FFKM" より
※2:重合体構造を有し弾性を示す

FFKMは製造プロセスにおいて高価な材料が用いられ重合処理も困難です。その一方で上記の特性から非常に多くの場所に用いられます。シール材料としては石油精製所、製薬工場、航空宇宙、化学工場、および半導体産業向けに重宝されています。

FFKMはこれほどの優れた特性を有している一方、いくつかの弱点もあります。一般的にFFKMは耐摩耗性が低く、また300℃を超える高温および0°C未満の低温環境において急速に劣化します。機械的特性もそれほど優れてはいません。またNBRやFKMなどの他のエラストマーと比較するとはるかに高い熱膨張係数を持っています。このため高温設備のガスケットなど、膨張が制限されている高温環境においては強い応力が発生する可能性があります。
各メーカーは特性に変化を与えるため、材質の配合やポリマー構造などに手を加えて製品を開発しています。使用環境にあわせて選定することが重要です。

FFPMはFFKMの別称(いずれも略号)です。FKMがFPMと呼称されることと同様に、日本ゴム協会その他では略号はFFPMです。以前はISO規格においてもFFPMが略号でした。現在はDIN/ISO規格※3とASTM規格※4の統一が進み、両規格においてはFFKMを略号に使用しています。名称としては"パーフロロエラストマー"または"パーフルオロエラストマー"(Perfluoroelastomer)が一般的です。Perfluoroは"全ふっ素化"という意味です。"パーフロ"は略称になります。

※3:DIN/ISO 1629
※4:ASTM 1418

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