概要

規格化されていないシールで、分類上は運動用シールの中の接触形シールに位置づけられる「Vリング」は、様々な回転運動機械のグリスやダストをシールする役割として用いられています。小径から大径まで広い範囲の軸径に対応できる使いやすい接触シールです。

特徴

Vリングは金属や繊維などの補強材を使用しないゴムの単一素材で成形された「ロータリーシャフトシール」です。シャフト外径より小さいVリングの内径を伸ばしながらシャフトに組込むことで、Vリング自身の弾性による張力で所定の位置に固定されます。
Vリングのリップが対向するシール面(カウンターフェイス)に軸方向で接触してシールします。 シャフト回転の機械では、Vリングとシャフトが供回りすることで、リップがスリンガー(風切り板)として機能し、また、静止した相手面へ軽く接する接触シールの機能を持ち合わせます。
また、周速が10~12m/sec以上の高い周速で使われる場合は、固定用シールとしてリップが遠心力の影響を受けずに、リップとシール面の接触圧を一定にした状態で使用することができます。

Vリング(Vシール)1

Vリングの断面と名称

大口径用Vリング

大形機械などにも採用されているVリングは、加硫接続やクランピングバンドなどを利用して使用できます。

1.加硫接続(大口径Vリング)

大形機械には加硫接続したVリングが使え、現地での加硫接続も可能です。接着剤と接合ゴムや接合セメントで両端面を接合し、加硫治具に固定しながら熱処理することで確実な接合が生まれます。
加硫接続工事の際には、切断したVリングの両端を引っ張りながら接合するため、ジャッキなどを吊るす作業スペースが必要です。

2.クランピングバンド固定

大口径のシャフトへ取り付ける際には、Vリングのボディー部をしっかりとシャフトに固定させるために、クランピングバンドを利用します。

加硫接続工事の際には、切断したVリングの両端を引っ張りながら接合するため、ジャッキなどを吊るす作業スペースが必要です。

*クランピングバンドを利用できるVリングには限りがございます。

歴史

1960年 ゴム成形品を製造しているスウェーデン「Forsheda AB(フォーシェダAB)」より特許取得したVリングが開発されました。 このシンプルでありながらシール効果の高いリップシールは洗濯機や電動機などにも採用されてきました。また、シールの補修用途にも重宝がられ、様々な産業機械に使われていきました。
今でも一部の軸受メーカーの軸受ユニットにはVリングがシールのオプションとして利用されています。
現在、Forsheda ABはトレルボルググループに属しています。Vリングは日本を含めた多くのシールメーカーで製造、販売されています。

Vリングの種類

種類:Aタイプ、Sタイプ、Lタイプ、他にもAX,LX,RM
材質:ニトリルゴム、フッ素ゴム、他

Vリング(Vシール)2

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