概要

ボイル=シャルルの法則(Combined Gas Law)は、ボイルの法則(Boyle's Law)とシャルルの法則(Charles' Law)を合成させた法則です。

ボイルの法則

「一定温度・一定量の気体において、体積 V は圧力 p に 反比例する

圧力p [Pa]、体積V [m3]、kは定数です。

図1 ボイルの法則

ワクチン接種や採血などは、最も身近なボイルの法則を体感する瞬間かもしれません。注射器はシリンジと呼ばれる外筒と、プランジャーと呼ばれる押し子を、押し引きすることで、薬液を注入・血液を抜き取ります。

ワクチンなどの薬液を注入する際はプランジャーを押し、シリンジ中の体積を小さくします。それにより内部圧力が高まり、注射針から薬液が体内へ移動します。同じように採血の場合、プランジャーを引き抜くことでシリンジ内圧が下がり、結果、血液が注射器に移動します。

シャルルの法則

「一定圧力・一定量の気体において、 体積 V は 絶対温度 T に 比例する

体積V [m3]、絶対温度T [K]、kは定数です。

図2 シャルルの法則

卓球好きな人や経験者であれば、もしかしたらシャルルの法則にお世話になったことがあるかもしれません。
まれに、ピンポン玉が凹んでしまうことがあります。その凹みを直すときによく使われる方法が「熱いお湯にピンポン玉を入れる」ということです。

ピンポン玉は、以前までセルロイドが一般的な材質で、最新のものはプラスチック製です。作り方は半球ごとに金型で製造され、2つの半球を接着し研磨して作られます。そのため、穴が開くなど損傷していない限り、内部の質量は変わりません。しかしプラスチックでできているため塑性変形するときもあり、それをお湯につけることで、球体内部の温度Tが上昇し、体積Vが大きくなることで球体に戻ろうとする力が作用し、元に戻るのです。

ボイル=シャルルの法則

「一定量の気体の体積 V は 圧力 p に 反比例し、 絶対温度 T に 比例する

前述の通り、ボイル=シャルルの法則は、ボイルの法則とシャルルの法則の合成法則です。
絶対温度(K,ケルビン)は、熱力学温度のことで、T(K)=t(℃)+273.15 ですので、摂氏温度におよそ273を加えたものが絶対温度T(K)です。

圧力p [Pa]、体積V [m3]、絶対温度T [K]

ベアリングやシールへの影響例

ラビリンスシール最大の弱点と克服方法

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機械には欠かせない存在の軸受。さまざまな機械で摩擦を低減させるために使用されており、自動車では1台で150個ほど使われることもあります。

自動車も同様ですが機械の中では、しばらく運転した後、数時間~数日停止するものもあります。軸受は運転中、他の装置・部品からの熱影響も受けますが、軸受自体も、潤滑方法の違いや潤滑量などによって大小あるものの温度上昇します。また軌道輪と転動体の摩擦などによっても発熱します。さらに言えば、機械設計的に軸受冷却がどの程度効率的に行われているかなどでも、温度上昇に影響が及ぼされます。

このような軸受を異物侵入から守るため、油溝やフェルトシールなどシンプルなものから、ラビリンスシールのように複雑な形状まで、様々なシールがあります。ラビリンスシールは特に、高速運転でも使用できたり、一般的に機械摺動しないため長寿命・メンテナンスフリーだったりと多くの利点があります。

一方で、ラビリンスシールの最大の弱点は、この機械停止時にあるとも言えます。
それは上述のボイル=シャルルの法則の通り、機械停止した際、軸受が冷えてくると内部の圧力も同じように低下します。この時に外気の水蒸気などを吸い込んでしまうのです。
潤滑油1リットルに、水1滴ほどが混入するだけで、軸受寿命が48%になる*1とも言われています。機械運転中はもちろんのこと、機械停止時にいかに高いシール性が必要かが分かります。
*1 出典:テクノロジー通信「オイルシール ー メンテナンスフリー化で設備の信頼性を向上させる」

インプロシール社のラビリンスシール(ベアリングアイソレータ)は、この弱点を克服するための特殊な機構を持つため、機械運転時に加え、停止後も引き続き軸受への固形異物や水や湿気の侵入を防ぐことができます。

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