概要

予防保全と保全予防

保全予防(Maintenance Prevention)と、予防保全(Preventive Maintenance)は、言葉の順番を変えただけですが、意味が全く違います。

予防保全は、部品や機器の劣化による影響を緩和して、故障発生確率を低減するために実施される保全方法で、定期的な部品交換やオーバーホールにより、故障発生時のダメージを下げることを主眼としています。具体的な方法として、CBM(状態監視保全)やTBM(時間基準保全)があります。

保全予防は、「保全を予防する」ために設備導入や施設建設の計画段階で、操業開始後の故障や不良の発生を予測し、その原因を排除して、耐用年数をより長くすることを目的にしています。

故障や不良を引き起こす原因を排除するという意味では、保全予防はプロアクティブ・メンテナンスも同じ考え方と言えますが、プロアクティブ・メンテナンスの場合は、既存機械をCBMの一環として改善する手法で、保全予防は機械導入前の計画・検討段階において、操業開始後の保全性を改善する保全手法と言えます。

設備更新や新設時に重要な保全予防

一部のプラントでは、設備導入・施設建設の担当者と、運用開始後の保全担当者の所属が異なることがあり、現場で改善した対策が、施設更新や新設などの時に反映されず、新しい機械でも同じ不具合が発生している場合があります。
故障や不良を最小化するために既存設備・施設における、故障実績や不具合情報、保全改善活動の情報共有をすることは、プラント全体の生産性や安全性をより良いものにするためとても重要と言えます。

保全予防として、不具合を発生させる要因そのものの排除するために、P-FカーブのP点・F点に加え、機械設計時(Design)と機械据付時(Installation)を加えた、D-I-P-Fカーブと呼ばれる曲線が提唱・利用されている場合もあります。

図1 P-Fカーブ(P-F曲線)の例

関連情報

  • 技術サポート - 工業用語集 - P-Fカーブとは
  • P-Fカーブとは

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