静剛性

X 主軸の加工精度に決定的な影響を与える要因として、静剛性があげられる。通常は定格荷重によって選定される場合が多いが、主軸用の軸受はむしろその剛性から選択されなければならない。しかしながら、スピンドル軸受システムにおいては、主軸の剛性の影響は大きく、無視できないため、軸受と主軸を一体として考える必要がある。
ここで言う静剛性とは、主軸のたわみをN/μmの単位で表したものである。

ベアリングの剛性

工作機械の主軸 d=100mm に最も使用されている各種軸受のラジアル方向およびアキシアル方向の弾性曲線図

組合せスピンドル軸受 B7020Eのラジアルおよびアキシアル方向の弾性曲線図

剛性表

アンギュラ

アキシアル剛性値Sa B719C、B70C、B72C シリーズ DF または DB 組合せ

アキシアル剛性値Sa B719E、B70E、B71E シリーズ DF または DB 組合せ

アキシアル剛性値Sa
HS719C/E、HS70C/E シリーズ DF または DB 組合せ
HSS719C/E、HSS70C/E シリーズ DF または DB 組合せ

アキシアル剛性値Sa
HC719C/E、HC70C/E シリーズ DF または DB 組合せ
HCS719C/E、HCS70C/E シリーズ DF または DB 組合せ

復列アンギュラコンタクトスラスト 玉軸受2344..シリーズ

復列アンギュラコンタクトスラスト玉軸受のアキシアル剛性値Sa

δa = Fa/Sa

δa = アキシアル変位量 [mm]
Fa = アキシアル荷重 [N]
Sa = アキシアル剛性値 [N/μm]

この数値は動定格荷重Cの値の2.2%までのアキシアル荷重に対して適用します。

円筒ころ軸受

円筒ころ軸受のラジアル剛性値

δa = Fa/Sa

δr = ラジアル変位値 [μm]
Fr = ラジアル荷重 [N]
Cs = ラジアル剛性値 [N/μm]

組合せによる剛性値

ラジアル剛性の近似値は次のように求めることができます。

Sr=6・Sa α=15°
Sr=2・Sa α=25°

2個以上の軸受の組合せでは剛性値は増加します。
表1は中心部に作用するアキシアル荷重に対するアキシアル剛性値を示します。
表2は軸受群の中央に作用するラジアル荷重についてのラジアル剛性値の算出方法を示します。

表1:アキシアル剛性値Sa
表2:ラジアル剛性値Sr

主軸の静剛性(システム剛性)

切削点での高剛性はマシンツールスピンドルの最も要求される性能である。高剛性それは高い切削精度を得ることができ、また時として要求される動的性能の指針となるものである。

システムのラジアル静剛性の計算

ベアリング二点支持の場合

*三点支持については、計算式が非常に複雑なため、コンピュータによる解析を必要とします。

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