用途
- 電食など軸受損傷や潤滑劣化を招く軸電圧を測定
- モータや機械の回転する軸と筐体間の電圧を測定
- 電圧・電流・抵抗などテスターとしても使用可能
特長
- 100MHzデジタルオシロスコープ
- 各種テスターモード(電気抵抗、電流、電圧など)あり
- 軸電圧波形測定用にプリセットされた設定のため、すぐに軸電圧を測定可能
- バッテリー駆動のため、現地で複数台モータの軸電圧を測定可能
電食など軸受損傷や潤滑劣化を招く電圧
回転体の軸に発生する電圧
回転機を支える軸受(ベアリング)には様々な原因で電位差(電圧)が発生します。最近、特に問題になっているのが、インバータ制御のモータです。
軸受には油膜があり、その状態によって、耐えられない電圧まで上昇すると、放電をはじめ、電流が流れることで、軸受鋼が溶融し、軸受のグリース中の鉄粉濃度が上昇したり、放電熱によりグリース炭化を起こし、グリースが黒色になっていることも目立ちます。電食として知られるリッジマークだけが軸受に流れる電流の弊害ではなく、グリース劣化させていることを確認する必要があります。
イージス®軸電圧テスターは、簡単に回転している軸と筐体(フレーム)間の電圧を測定することができます。
検証する方法
イージス®軸電圧テスター
軸電圧を測定するために必要なすべてイージス®軸電圧テスター™(AEGIS-OSC-9200)は、モータの回転する軸で、電圧を測定するために必要なすべてを搭載した CAT II/III デジタルオシロスコープです。
この2チャンネルの100 MHzデジタルオシロスコープには、5.6" TFT LCDカラーディスプレイ、日本語表示機能、1 Gsa/s ~ 50 GSa/sのサンプリングレート、5時間の充電交換式リチウムイオンバッテリパック仕様です。データ転送用のUSBポートまたはフラッシュドライブ記憶装置があります。
スクリーンキャプチャ機能により、測定報告や分析用のデータ収集が劇的に簡素化されます。スクリーンの画像は、Printボタンを押すだけで、簡単にUSBへ保存されます。
マルチメーターとしての機能オシロスコープ機能に加え、マルチメータおよびレコーダ機能を1つにまとめました。マルチメータで、抵抗(Ω)・導通・ダイオード容量・DC/AC電圧・DC/AC電流の測定ができます。
資料動画
軸受・潤滑の新しい状態監視技術|イージス軸電圧テスターAEGIS-OSC-9200|モータの潤滑劣化による軸受故障を防ぐプロアクティブメンテナンス
軸電圧測定と対策方法ガイド①
急峻な電圧降下を確認する
イージス軸電圧テスターAEGIS-OSC-9200|初期設定ガイド
セット内容
セット内容 | AEGIS-OSC-9200MB-W2-I | AEGIS-OSC-9200MB-W2-IC | AEGIS-OSC-9200-W2-I |
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軸電圧テスター本体 |
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SVP-TIP付き電圧プローブ |
1 | 1 | 1 |
電圧プローブ(スペア) |
1 | 1 | 1 |
USB校正用ドングル |
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マルチメータ用測定ケーブル |
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充電式交換可能バッテリ |
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電源ケーブル(9V, 4A DC; 120/240VAC) |
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コンパクトケース |
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USBフラッシュメモリ(電子マニュアル入り) |
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イージス®ベアリング保護ハンドブック |
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ワニ口ケーブル |
2 | 2 | 1 |
スペア用SVP-TIP-9100(写真下) |
3 | 3 | |
イージス®シミュレータ |
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プローブホルダ |
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マグネットベース |
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出荷時校正(ISO17025) |
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SVP-KIT-9100MB
内容: SVP接触測定子(3pcs), プローブ固定用保持棒(最長約 45cm), マグネットベース, アースシミュレータ
AEGIS-SVP-510
内容: BNCコネクタ式電圧プローブ(CAT II 300V), SVP接触測定子, ワニ口ケーブル(写真には写っていません)
SVP-TIP-9100
内容: SVP接触測定子(3pcs)
PWS-9100
AEGIS-OSC-9100用ACアダプタ. 入力: 110-240V ac, 1.2A, 50-60Hz; 出力: 9V dc, 4A.
軸電圧波形の例
高いVppのコモンモード電圧波形
一般的に20~120Vpp (10~60Vp)で、モータの軸に静電容量を介し分圧されたコモンモード電圧が見られます。
6つの段状波形はインバータからの3相パルスによるものです。ドライブからモータへ入力されるパルス幅変調(PWM)のパルスによって、波形がどうなるか決まります。方形波のように見えることもあります。
この6つの段状波形あるいは方形波は、ベアリングで放電を起こしていない時に、最大のp-p電圧として見られる波形です。この電圧は、絶縁されていないベアリングで絶縁破壊を引き起こし、放電し始めます。
高いEDM放電波形
一般的にEDM放電は、20~80Vpp(10~40Vp)で発生しますがモータや軸受タイプ、軸受の運用時間などに影響を受けます。
波形から軸電圧が上昇し、急峻に立ち下がる放電していることがわかります。これはインバータのキャリア周波数によっては毎秒数千回も起こることがあります。
多くのアプリケーションにおいて、この急峻な放電は1~125MHzという超高周波の"放電周波数"であることが
確認されています。
参考文献:NEMA MG1 Section 31.4.4.3
低い電圧の放電波形
一般的に4~15Vpp(2~8Vp)の波形は、低いdv/dtで、より 連続的な放電を示しています。
電圧が低い原因は、潤滑が導電化したことや、ドライブ装置・モータ回転数・負荷状況やその他の条件が考えられます。
軸受放電は潤滑で、カーボンや金属などの異物に作ります。低いインピーダンスで低いVppの軸電圧として確認されます。この状態はたいてい数カ月あるいは数年稼働したモータでよく確認されます。
イージス® リング導入後の軸電圧波形
イージス®リングを取り付けると、モータ出力・グランドノイズ・軸自体の導電性やその他の要因によって、一般的に2~10Vpp(1~5Vp)の軸電圧を示します。
ここにシルバーペイント(CS015)を塗布することでさらにアース性能が高まり電圧値は下がることがあります。
この波形は、イージス®リングで軸電圧をアースしているため、低いp-p電圧です。
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