ここでは主にプラント設備分野において用いられている各用語について解説します。
MTBF概要
MTBFとはMean Time Between Failureの略です。日本語では平均故障間隔と表現され、故障までに稼働した時間の平均を指します。システムや機器の信頼性を示す指標のひとつです。
日本において総合信頼性(Dependability)はJIS Z 8115により規定されています。これは国際電気標準会議(IEC)にて取決められたIEC 60050-192にもとづいており、主にIT分野において広く認知されました。MTBFもそのうちのひとつです。しかしこの背景もあり、詳細は割愛しますが「JISで規定されているMTBF」と「プラント設備分野で用いられているMTBF」には乖離が生じている実情があります。MTBFがプラント設備の信頼性を示す指標として普及している一方、本来の定義とは異なることに留意することが重要です。
MTBFの計算方法・計算例
ある機器の稼働状況が、
「①380時間稼働→故障→②470時間稼働→故障→③350時間稼働→故障」の場合。
(① + ② + ③)÷3 = (380+470+350)÷3 = 400 になり、
MTBFは400時間と求めることができます。
MTTR概要
MTTRとはMean Time To Repair(Recovery)の略です。日本語では平均修理時間と表現され、故障から復旧までにかかった時間の平均を指します。システムや機器の保守性を示す指標のひとつです。
MTTRの計算方法・計算例
ある機器の稼働状況が、
「稼働→㋐30時間故障→稼働→㋑12時間故障→稼働→ ㋒18時間故障」の場合。
(㋐ + ㋑ + ㋒)÷3 = (30+12+18)÷3=20になり、
MTTRは20時間と求めることができます。
Operating Ratio概要
Operating Ratioは日本語で稼働率と表現され、生産実績と生産能力の比率を指します。システムや機器の可用性を示す指標のひとつです。
Operating Ratioの計算方法・計算例
ある機器の稼働状況が、
①380時間稼働→㋐30時間故障→②470時間稼働→㋑12時間故障→③350時間稼働→ ㋒18時間故障」の場合。
(①+②+③)÷[(①+②+③)+(㋐+㋑+㋒)] ×100(%)= (380+470+350)÷[(380+470+350)+(30+12+18)]×100(%)=95.2%になり、
Operating Ratioは95.2%と求めることができます。
改善活動での活用
プラント設備の改善活動では、上述のMTBF(信頼性)、MTTR(保守性)、Operating Ratio(可用性)を改善前と改善後で比較することにより、どれほど改善が進められたのかを数値化して確認できます。